ロストワックス製法と手作り結婚指輪について解説 – 手作り結婚指輪・オーダーメイド専門工房|東京銀座【RITOEリトエ】

手作り結婚指輪・オーダーメイドのRITOE(リトエ)のブログ

2015.11.21

ロストワックス製法と手作り結婚指輪について解説

今回は、手作り結婚指輪に使用される製造方法の一つの「ロストワックス製法」についてご紹介していきます。

指輪を作る三大製法

まず始めに、ロストワックス製法について紹介する前に、大まかに指輪を作る製法について解説します。

指輪の作り方いくつかありますが、結婚指輪を作る際にポピュラーな製法は、ワックスというロウ素材を使い、ワックス原型を作ってから鋳造して作る「ロストワックス製法(鋳造製法)」、地金を直接叩いて指輪の形にしていく「鍛造製法」、パソコン上でデザインを設計して作る「CAD」の3つの製法があります。ちなみに、RITOEでは、初心者の方でも形作りのしやすいロストワックス製法を採用しています。

ロストワックス製の流れについて

次にRITOEが採用しているロストワックス製法について、深く解説していきます。

原型作り

まずはじめに使用するのが、ろうそくのロウと同じような素材のチューブワックスを使用し、指輪の原型を作っていきます。ワックスはロウ素材なので、ヤスリなどで簡単に削ることが出来ます。

鋳造

ワックスで指輪の原型が完成しましたら、専用の工場で鋳造を行います。ワックスに湯道と呼ばれる、写真の指輪と指輪を固定している枝のようなものをくっつけて、ゴムの台に固定します。容器でフタをしまして、その中に水で溶かした石膏を流し込みます。石膏が固まりましたら、加熱してワックスを溶かして取り出します。作った指輪の原型と同じ空洞が石膏の中に出来上がります。その中にプラチナやゴールドなどの貴金属を流し込むと、作った指輪が金属に生まれ変わります。

仕上げ

湯道を切り離し、仕上げに指輪の表面を荒めから細かい段階を踏んで研磨し、綺麗な指輪にして完成。

プロ職人も同じ方法でつくる

一般的にジュエリーショップで売られている指輪も、まずはじめに上で紹介した方法で、プロの職人さんが指輪の原型を作ります。そのためロストワックス製法というのが、初心者のものではなく手作りで結婚指輪を作られる方にも、プロになったつもり心を込めて作っていただきます。

プロの職人との違い?

製造工程でプロの職人との物理的な違いは、作った指輪からゴム型をとり量産するかいなかだと思われます。

ゴム型とは、指輪の隅々までを再現できるように、ゴムで型をとったものになり、その中に原型製作時とは別の、専用のワックスを流しこむことで、ワックス原型を量産することが出来ます。そして、そのゴム型から作られたワックス原型を鋳造し、仕上げていくことで、同じ指輪を大量に生産することができるのです。

安全性について

RITOEでロストワックス製法を採用している理由の一つには、”安全”というところにもフォーカスしているからです。

ワックスで指輪を作る際に使う工具は、ヤスリや糸ノコギリなどのアナログな工具ばかりで、一歩間違えると大きな怪我をするような工具は使っていません。
そして、初めての方でも簡単に削って形を作ることが出来るのと、素材がロウなので万が一原型が割れてしまっても、多くの場合熱を加えて再生可能という意味で、原型作りのハードルも下げることができます。

ロストワックス製法と鍛造を比較

比較の基準は様々ありますが、今回は初めて指輪を作るおふたりにとって、どちらを選ぶほうが自由にかつ理想の指輪を作ることができるかで考えます。

難易度

ロストワックス製法は、専用のワックスを使用しヤスリなどで削りながら指輪の形を作っていきます。対して鍛造では、バーナーで金属を溶かし、叩いて伸ばして指輪の形にしていきます。
双方シンプルな指輪の場合では、大きな難易度の差はでません。しかし、S字やひねりなどの複雑なデザインになってくると、金属よりもロウ材を削る方が簡単なのでロストワックス製法の方が難易度が低く、デザインのバリエーションも広げることができます。

デザインの自由度

鍛造製法では主に、ストレートの甲丸、平打ち、鎚目などのシンプルデザインに絞られてしまうのが一般的です。しかし、鋳造ではデザインの制限はなく自由にお選びいただけます。
当のホームページでも、結婚指輪のギャラリーページがありますが、すべてロストワックス製法で作られた指輪なので、すべて手作りすることが出来ます。

※熟練したプロの職人の方は、鍛造でも様々な形を作ることが可能です。

安全性

ロストワックス製法では、ヤスリなどの工具で使用して作っていくので、あまり危険な工具は使用しません。一方鍛造では、火を使用して形作りをしていくので、初心者の方には少し危険な作業になってしますと考えられます。

納期

お店にもよりますが、一般的にロストワックス製法は完成までは平均して1か月ほどかかとされています。対して鍛造製法は、金属を直接叩いて作るのため、ダイヤモンドを追加や、特殊な加工を追加することがなければ、当日お持ち帰りということも可能になります。

耐久性

従来までは、一般的に金属を叩いて作る鍛造製法の方が、強度は勝っていると考えられてきました。しかし、鋳造技術が進歩した現在では、鍛造に比べて極端に弱いということはありません。また、繋ぎ目のない一塊の金属として仕上げられる鋳造製法の方が特化しているという考え方もあります。

まとめ

鍛造製法の知識も交えて、鋳造製法についてご紹介をさせていただきました。RITOEでは、「手作り結婚指輪」をメインに指輪を提供させていただいているので、どうしても我々なりに手作りに特化した「鋳造製法」押しの話にまとまってしまいました。

指輪作りという観点でみたら、鋳造製法も鍛造製法もどちらの方が良いといことはありません。あくまでも、初心者の方でも楽しく自由にデザインをお選びできるというとこをポイントにして、鋳造についてご紹介させていただきました。

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